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『ある朝スウプは』

配給:ぴあ、ユーロスペース
オフィシャルサイト:
http://www.pia.co.jp/pff/soup/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
廣末哲万
並木愛枝
高橋泉
木村利絵
垣原和成
監督、脚本、撮影、編集:
  高橋泉
音楽:並木愛枝

2004年
ぴあフィルムフェスティバル
  【PFFアワード2004】
  グランプリ&技術賞 受賞
2004年
バンクーバ国際映画祭
 【ドラゴン&タイガー
  ・ヤングシネマ・アワード】
  グランプリ 受賞
2005年
香港国際映画祭
  【アジアデジタルビデオ部門】
  グランプリ 受賞
2005年
インフィニティ映画祭(イタリア)
  【メイン・コンペティション部門】
  グランプリ 受賞

2004/日本/ビデオ/カラー/
1時間30分


イントロダクション
「PFFアワード2004グランプリを皮切りに、世界中の映画祭で受賞、絶賛!同棲生活を送る恋人の断絶を描いた自主制作映画がロードショー公開」
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  以前にも書いたが、日本映画界から新たな才能を探し出そうとする「ぴあフィルム・フェスティバル(PFF)」とそこで発掘した才能を支援する“スカラシップ”制度である“PFFスカラシップ”の功績は相当に大きいと思う。この“PFFスカラシップ”からは現在(04/7)絶賛公開中の作品『運命じゃない人』や『バーバー吉野』などの秀作が生み出されている(それに加え、これまでの「PFF」の受賞作のDVD化も始まり、あの監督のアマチュア時代の作品も見る事が可能になってきた)。その「PFFアワード2004」でグランプリ&技術賞のW受賞を果たした作品が劇場公開されることになった。それが今回紹介する『ある朝スウプは』である。
  自主映画の作品が単館とはいえロードショー公開されるのも異例だが、この作品は「PFFアワード2004」のみならず、バンクーバ国際映画祭【ドラゴン&タイガー・ヤングシネマ・アワード】グランプリ、香港国際映画祭【アジアデジタルビデオ部門】グランプリ、インフィニティ映画祭【メイン・コンペティション部門】グランプリを受賞するなど世界各国の映画祭で絶賛を受けてきている。
  主人公はアパートで同棲生活を送る恋人。ある日、男性がパニック障害を起こし、日常生活がうまく行かなくなる。女性は勤め先の移転が決定し、転職を考え始めていた。会社に通うことが無理な男性は自宅で出来るパソコン入力の仕事を始めることにする。実はその仕事は新興宗教へと繋がっていた。セミナーに通い始め、教団にのめりこみ始める男性に気づいた女性はなんとか男性を現実に繋ぎとめようとするのだが、というのがこの作品の物語である。
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  新興宗教をテーマの根底に置いた作品としては、そこから逃げ出した少年たちを描いた『カナリア』が思い浮かぶが、この作品『ある朝スウプは』は「新興宗教を描いた作品ではない。」と監督、脚本、撮影、編集を一人でこなし、出演までしている高橋準は語る。もちろん、パニック障害の映画でもない。高橋監督は「この映画は結末を描くために造られたのではなく、ふたりの葛藤によって生まれる、次の瞬間を描くために造りました。この映画は100%の純愛映画です。」と語っている。
  自分の大切な人が新興宗教に走り始めたらどういう行動をとるだろうか。きっと行かせないようにする、説得を続ける、救済機関に相談するということになるだろうし、見限るという選択も出てくるはずだ。この作品で主人公の女性は彼を繋ぎとめようと何とか(セミナーに)行かせないようにする。一方の主人公である男性は女性のいない隙に信者から儀式を受けている。彼は彼女を繋ぎとめようと彼の信じる教えを熱心に説き続ける。恋人同士の中に生じていく断絶。作品は男性がパニック障害を発症した10月から4月まで、秋から冬を超え、春に向かっていく様子を捉えていく。そして物語は春に向かうとともに大きく動き出す。それは今まで言わずに、行動せずに溜めてきたものが一気に決壊したかのような動きだ。互いの言い分は交わらず、近くなることも、平行線になることもない。最後のいつもと同じ朝食のシーンでの自分が信じていたものは何だったんだろうというように訥々とふたりの思い出を語る女性と、それに対し思わぬ反応を垣間見せる男性があまりにも印象的だ。
  信じるか、信じないか、その一点で生活までがらりと変化させていく宗教。でも、そういうものは宗教に限らず、身近なところにゴロゴロと転がっている。ゴロゴロの中のそれは好き、それは嫌い、こういうことが重なりながらお互いの中に価値観の差という断絶が生じ、別れへと繋がっていく。となるとこの作品はありふれたカップルのひとつの形なんだろう。
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  ただ、この作品の外にも出られない病と宗教という設定は狭いアパートの一室、固定カメラでの長回しなどという映画的な技法とマッチし、恐怖感や不気味さ、緊迫感を生じさせていく。この設定と技法が生み出す映画的表現こそが監督とスタッフたちの持つ圧倒的なセンスだ。無駄なものを削ぎ落とした物語は時間の経過と共に重さを持って、日常の延長のように迫ってくる。
  高橋監督と主人公の男性を演じる廣末哲万はずっと脚本&監督のコンビを組み続けている。この作品がグランプリを受賞した年の「PFFアワード2004」で準グランプリとなったのは廣末が監督、高橋が脚本の『さよなら さよなら』だという。同じスタッフによる作品がグランプリと準グランプリというのも異例だが、この作品も気になって仕方がないし、同じコンビで撮影するという“PFFスカラシップ”作品も気になるところ。とにかく、今後、目が離せなくなるであろうこのコンビの緊迫感と切なさに溢れる純愛物語『ある朝スウプは』、ぜひ、劇場に足を運んで下さい。

ストーリー
「パニック障害と診断された男は新興宗教にのめりこむ。気付いた彼女は彼を現実に戻そうとするが」
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  10月、電車の中で過呼吸の発作に襲われた北川は同棲生活を続ける恋人の志津と共に病院へ向かい、パニック障害と診断される。北川は外での仕事が不可能となったため、在宅で出来るパソコン入力の仕事を見つける。ソフト購入にお金がかかるが、北川はそれをやってみようと思う。一方の志津は会社が移転するため、転職を考え始めていた。
  1月、会社を辞めることになった志津が送別会を終え、夜遅くアパートに戻ると北川の姿がなかった。部屋には今までなかった黄色いソファーが置かれ、朝戻ってきた北川の手首には数珠のブレスレットが巻かれていた。問い詰める志津に対し、答える北川。でもそこには違和感が生じ始めていた。仕事のセミナーに通い続ける北川、再就職先が決まらない志津はセミナーが新興宗教であること、北川がそこにのめりこみ始めている事に気付き、現実の戻そうとするのだが。
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