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■電気羊プロフィール
アニメーター、編集者を経て現在はフリーライター兼翻訳者のハシクレをしている。好きな映画は「ブレードランナー」、好きな役者はコリン・ファースと嵐寛寿郎。だんなについて、目下カリフォルニア州サンタクルーズに滞在中。せっかくなんで、コミュニティ・カレッジに通いつつ、映画三昧している。この度3年越しの夢が叶い、コリン・ファース主演作「フィーバー・ピッチ」で字幕翻訳家デビュー! 趣味はスキューバダイビングとビリヤード(どっちも超ヘタ)。日本から連れてきた耳垂れウサギを飼っている。


■過去記事一覧



写真01
Mr.&Mrs. スミス 劇場ポップ

写真02
ファンタスティック4 
ポスター

写真03
ハウルの動く城 アメリカ版
ポスター

  カリフォルニアはサンタクルーズから、毎月最新ホヤホヤの映画情報をお届けする「もぎたて映画通信」。第15回は、どうにも眠気を誘うナルコティック映画から睡魔を吹き飛ばす怖い怖いSFホラーまで、5本をご紹介!

☆「Mr.&Mrs. スミス」Mr. & Mrs. Smith

 ブラッド・ピット&アンジェリーナ・ジョリー主演、「ボーン・アイデンティティー」のダグ・リーマン監督によるアクション。劇場は老若男女かなり混んでいたので、これは大ヒットだなと思ったら、公開第一週目、やはりブッちぎりの1位でした。主演二人の熱愛疑惑報道が、お互い相手の正体を知らない殺し屋夫婦という役どころと相まって、観客の好奇心をあおったようです。

「ボーン・アイデンティティー」は観たことないのですが、リーマン監督のアクション演出は見応えありますね。特にカーアクションが面白かったです。宮崎駿みたいに、緩急のつけ方がうまいのかな。ギャグも決まって、大受けでした。TVの映画レビュー番組で、若手批評家のリチャード・ローパーが「ブラック度がもう少し濃ければ、『ローズ家の戦争』並みに面白くなったのに惜しい」、と言ってましたが、確かに最後の方はストーリー(そもそもストーリーはあるのか、みたいな作品ですが)への興味を失って、うっかり寝てしまいました(^_^;)。でも、とにかく二人を観てるだけでも楽しい映画です。アンジェリーナ・ジョリーはホントにきれいでセクシーですが、細腕にくっきる浮き出る血管がちょっと怖いです。ミセス・スミスの家事の手際をみていると、運動神経がいいと、料理も家の模様替えも楽しそうです。
  わたしは観ていて、ブラピの「ファイト・クラブ」を思い出しました。あれもこれも、いったん自分も自分の周りの世界も徹底的にぶっ壊れないと、本当の恋愛が始められないというところが似てます。そしたら、とあるキャラ(同名映画をものしているヒッチコックいうところのマクガフィン的役割)が、「ファイト・クラブ」のTシャツを着てました(^_^)。監督に意図を聞いてみたいです。

「Mr. & Mrs. Smith」公式サイト(英語)

☆「奥さまは魔女」Bewitched

 ニコール・キッドマン、ウィル・ファレル主演、ノーラ・エフロン監督による往年のTVシリーズ「奥さまは魔女」の映画版リメイク。

 リメイクするに当たり設定をひねってあり、ウィル・ファレルは「奥さまは魔女」のTVリメイクに再起をかける落ち目の役者で、街で見かけたイザベル(ニコール・キッドマン)の鼻の動かし方に惚れ込んで、サマンサ役に白羽の矢を立てます。ナイーブすぎるところもあるけど、一見“ごく普通の”女性イザベルの、“ただひとつ違って”いたところは、彼女が本当に魔女だったこと。

 風に舞う花びらとともに地上に舞い降りるイザベルの足のショットから、肩ひじ張らないライトコメディとして、いい感じで映画は始まります。魔法は封印し、普通の人間として生活したいというイザベルを、なんとか翻意させようとする神出鬼没、変幻自在の父親にマイケル・ケイン、リメイク版エンドラを演じる女優役にシャーリー・マクレーンが扮し、キッドマン&ファレルを余裕でサポートしてます。

 第一話のエピソードなんて見たことなかったので、二人のなれそめが描かれるシーンの撮影風景が出てきて、「これはオリジナル通りなのかなあ」と、オリジナルキャストで想像しながら見れて楽しかったです。

 私も他の観客も楽しく見たのですが(ファレルがトーク番組に真っ裸で出ちゃう悪夢を見るシーンが一番受けていた)、レビューはほぼ全滅でボロクソ。話の筋が通ってなくて、支離滅裂なのです。それでも楽しく見れるし、陽気な気持ちになれるんだから、いいぢゃないですか。笑って許してやりましょうよ。ただ、最後の方にアーサーおじさんが出てくるくだりだけは、いくらなんでも目茶苦茶でした。そこんとこは笑って許してあげられません。

 アーサーおじさんを演じているスティーヴ・キャレルは、ジム・キャリーの「ブルース・オールマイティ」でライバルのニュースキャスターに扮し、「意志に反して口が勝手に動いちゃう」ギャグで注目されましたが、それと同じネタを本作でファレルがやってるのもちょっと興ざめかな。キャレルは今春、イギリスのヒットコメディ「オフィス」(WOWOWで放映が始まったようです)のアメリカ版シリーズで主役に抜擢され、お茶の間での知名度も上がってきました。予告編で、彼の初主演作(多分)"The 40 Year-Old Virgin"と、もう一本恋愛コメディ(タイトルど忘れ)を続けてやったのですが、2本ともBGMにスパンダー・バレエの「トゥルー」を使ってました。やる気ないのか〜。

 TV番組製作の舞台裏を描く内輪物的おもしろさもある本作。HBOの新シリーズで、リサ・クドロゥがリアリティ番組でキャリア再起をかける落ち目女優、というどこかで聞いたような役柄を演じる「The Comeback」という作品が始まったのですが、その番組では思い切りスノッブで嫌味な人種に描かれ、皮肉が効いてるている脚本家コンビに比べて、本作ではいい人たちに描かれすぎていて、そんなところも批評家受けしない要因の一つかもしれません。

エンディング、サッチモに続いてポリスの「マジック」がかかりました(^_^)。

「奥さまは魔女」公式サイト

☆「ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]」
  FANTASTIC FOUR

マーヴェルコミックの人気シリーズが原作のSFアクション・アドベンチャー。宇宙空間での実験中、手違いで大量の宇宙線を浴びてしまい、それぞれ特殊能力を身につけた4人のスーパーヒーローの活躍を描きます。出演は、ゴムのように体が伸びるリードに「ホーンブロワー」のヨアン・グリフィス、透明人間のスーにジェシカ・アルバ、岩人間ベンに「ザ・シールド」のマイケル・チクリス、スーの弟で火の玉人間のジョニーにクリス・エヴァンズ、悪役Dr.ドゥームにジュリアン・マクマホンなど、主にTVシリーズで知名度を上げた、フレッシュな顔ぶれで固めました。

「Xーメン」、「スパイダーマン」など、荒唐無稽でハデな衣装のスーパーヒーローに深みを与え、重層なドラマに仕立てるという昨今のトレンドのアンチテーゼとして(?)、原点に立ち戻って、というか開き直って、コミックの荒唐無稽さを楽しむ作品に徹してます。

SFXを使ったアクション場面は見応えあるし、ヨアンもジェシカもじゅうぶんeye candyなんですが(実はヨアン目当て)、寝てしまいました。シーンごとにキャラたちの言動も性格もコロコロ変わり、一貫性も必然性もなんにもないストーリー展開を負うのに疲れ果て、一生懸命がんばったのですが、かんじんのクライマックスのところでどうしようもない睡魔に襲われてしまいました。でも観客はアクションシーンに喜び、キャラたちのセリフに笑い、最後には拍手も起きてたので、そのへんはあまり気にならなかったみたいです。最新のCGIを使って、体が伸びたり火の玉になったりする4人の痛快な活躍場面をたっぷり用意すれば観客のニーズに応えられる、という作り手側の読みが当たりました。子どもの頃から原作に親しんでいれば、私ももっと楽しめたのかな。

「ファンタスティック・フォー 」公式サイト

☆「宇宙戦争」

 世界同時公開ということで、日本でももう公開されているので、プロット説明は省きます。

 や〜、怖かったです〜。怖かったですねぇ〜。スピルバーグのいぢわるな面を全開にした映画って、好きです。SFの、センス・オブ・ワンダーはなかったけど、その分たっぷり怖かったです。みんな口々に「怖かった〜」っていってたし、掃除のじゃまにならないように劇場の後ろに立ってエンドクレジットを観てたら、杖をついた初老の紳士が「怖かったよね、ね!」って話しかけてきたくらい(でもティム・ロビンスの顔が映ったときだけはみんな笑ってた)。

 何が怖いって、殺しても殺しても、どこからかゾロゾロと現れる、ゾンビかゴキブリのような人間たち。火星人(推定)たちも、「きゃ、いや〜ん、まだいるぅ〜」とか言って、ブシューッて殺してるんですかね。そんな感じでしたね。

 ”Bewitched"や"Fantastic Four"みたいなナルコティック映画を続けて観た後では、余計にスピルバーグのストーリーテリングのうまさが引き立ちます。ただ、何カ所か、彼の過去の作品の二番煎じみたいなところがなくもなかったですけどね。あと、最後に息子が生き残ってたというのは、いかにもとってつけた感じでいただけません。いぢわるに徹してくれればよかったのになぁ。

「宇宙戦争」公式サイト

☆「ハウルの動く城」Howl's Moving Castle

 トトロが目印のスタジオ・ジブリのロゴをこちらのスクリーンで観るのも、すっかりおなじみになってきた今日この頃。場所によっては字幕版と吹き替え版、両方公開してるようですが、サンタでは吹き替え版のみです。ハウルにクリスチャン・ベール、ソフィーにエミリー・モーティマー&ジーン・シモンズ、荒れ地の魔女にローレン・バコール、カルシファーにビリー・クリスタルなど、素晴らしいキャスティングで、クレジットのところでも、「おお! クリスチャン・ベール/ローレン・バコール/ビリー・クリスタルだったんだ〜」など、驚いてる声が聞かれました。アカデミー賞を撮った監督の期待の新作ですからね、気合い入ってます。

 去年日本で観ており、ストーリーがかなりその、アレなのを知っていたので、「大丈夫かな〜、みんなついていけるかな〜」とハラハラしながら観てたのですが(←余計なお世話)、要所要所で笑い声があがり(特にカルシファーがからむシーン)、楽しんでいたようです(筋の通らないストーリーになれているためか!? > アメリカの観客)。レビューもなかなかよく、特に「ヴィレッジ・ボイス」のレビューは素晴らしいです(http://www.villagevoice.com/film/0523,atkinson1,64674,20.html)。もちろん、「ストーリーわけわかんないよ」という評もあります。でも、「ファンタスティック・フォー」などと違い、ストーリーの不条理さを超えて映画を楽しめるのは、「ヴィレッジ・ボイス」が指摘しているように、「情緒的に首尾一貫してるから」、言い換えれば監督が何を伝えたいのかわかるから、でしょうか。

 評論家のロジャー・エバートは、「そのへんのアメリカのアニメに比べればもちろん優れているが、宮崎作品としてはちょっとガッカリ」と評してました。

 「美しくなければ生きてけない」、と自分の容姿に異様にこだわり、子どもっぽい寝室に閉じこもるハウルに、ちょっとマイケル・ジャクソンを連想しました。

 ところで、私は久石譲の音楽はあまり好きになれません。海外でのウケはいいかもしれないけど、いいかげん別の人を使ってくれないかな。なんか、「さぁ盛り上がり給へ」と押しつけられたるみたいな気持ちになっちゃうんですよねぇ。なりません?

「ハウルの動く城」公式サイト(英語版)

 今回は、更新が遅れてごめんなさい(待っててくださった方います?)。飼いうさぎが病気になっちゃったりとか、ちょっとゴタゴタしてたものですから。次回は、こんなにお待たせしないようにしますので、見捨てないで、また読みに来てくださいね!

ぢゃ、また。
(July 17, 2005)

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