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■電気羊プロフィール
アニメーター、編集者を経て現在はフリーライター兼翻訳者のハシクレをしている。好きな映画は「ブレードランナー」、好きな役者はコリン・ファースと嵐寛寿郎。だんなについて、目下カリフォルニア州サンタクルーズに滞在中。せっかくなんで、コミュニティ・カレッジに通いつつ、映画三昧している。コリン・ファース主演作「フィーバー・ピッチ」で字幕翻訳家デビューを飾るのが夢。趣味はスキューバダイビングとビリヤード(どっちも超ヘタ)。日本から連れてきた耳垂れウサギを飼っている。

■過去記事一覧




 カリフォルニアはサンタクルーズから、毎月最新ホヤホヤの映画情報をお届けする「もぎたて映画通信」。第6回は、エイリアンVSプレデターならぬシャマランVSデミの演出対決だぁ(!?) あと日本には来なさそうなアメリカ色濃厚のコメディ1本もおまけね。

☆Harold and Kumar Go to White Castle

韓国系アメリカ人ハロルドと、インド系アメリカ人クマールはルームメイト。ある晩、大麻でハイになった2人は、美味しそうなハンバーガーのTVCMに触発されて、近所のハンバーガーショップ「ホワイトキャッスル」に行こうと車を出す。ところが、店は別のハンバーガー・フランチャイズに変わっており、どうしてもホワイトキャッスルで食べたい2人は、遠方の店を目指すのだが、高速の料金所で小銭が足らなくて踏み倒したことを発端に、タイヤがパンクしたり殺人アライグマに襲われたり、ヒッチハイカーを乗せたらTV番組「天才少年ドギー・ハウザー」のニール・パトリッック本人で、しかもカージャックされたりと、次々にいろんなアクシデントに見舞われてしまい、いくら経ってもホワイトキャッスルにたどり着けないのだった…。

  監督は、『ゾルタン★星人』のダニー・レイナー。内気でまじめなハロルドには、『アメリカン・パイ』、"Better Luck Tomorrow"のジョン・チョー、外科医の父と兄を持ち、成績優秀な医学生だがちゃらんぽらんな性格のクマールにはカル・ペン。アジア系の2人が、行く先々で遭う人種差別を笑いのネタにするという、かなり綱渡り的なコメディです。予告編を観たとき、「こんなの誰が観るねん」と思ったんですが、意外にも好意的な批評で、映画館の切符売り場でも、出てきた観客が「面白かった! すごくクレバーだ」と教えてくれました(聞いてないのに)。その彼のようにゴキゲンになるほどではなかったけど、まあまあ楽しめました。特に、他のハンバーガーショップで手を打たずに、「どうしてもホワイトキャッスルのハンバーガーじゃなきゃ嫌だ!」と固い決意で空きっ腹を抱えて走り回る2人の気持ち、誰でも共感できると思います(^_^)。深刻じゃないけど理不尽な人種差別を受けて、「Fuck!」とつぶやきながら耐えるハロルドやクマールの姿は、「Good Grief!」の一言で、ツいてない星回りに耐えるチャーリー・ブラウンの姿と重なって、自然と好感を持ってしまいます。存在しないフリをして、問題を無視するのではなく、問題を直視して不条理な差別をする自分たち自身の姿を笑い飛ばす、そういう意味では確かにクレバーな一本でした。

ちなみにホワイトキャッスルというハンバーガー・チェーンは東海岸で展開してるみたいで、カリフォルニアにはありません。『ぼくの美しい人だから』の原題がWhite Palaceで、スーザン・サランドンが勤めるハンバーガー屋さんの名前なのですが、確かそのモデルじゃなかったかな?

Harold and Kumar Go to White Castle 英語公式ページ

☆『ヴィレッジ』The Village

次にどう出るか、毎回楽しみなM・ナイト・シャマラン監督の新作。

  1897年、ペンシルバニア州の森に囲まれた質素な村。住民は森から聞こえる遠吠え、そして赤い色を異常に恐れていた。赤い色は、遠吠えの主、“言うをはばかる者たち”を引き寄せてしまうからだ。森に引いた境界線を住民が侵さなければ、彼らも村にやってこない、そういうしきたりだった。だが、ある一人の若者が、森を越えて「町」に行き、村では手に入らない薬をもらって来たいと思うようになり…。

  『シックスセンス』で勝ち得た信頼を『アンブレイカブル』でちょっと“ブレイク”して、『サイン』では人々の目を点にしてしまったシャマラン監督。彼にそっぽを向く観客も多く、本作の予告編が流れたとき、あざ笑う声も聞かれました。でも、わたしは好きです、この監督の映画。狙ってるのか本当にエド・ウッドな人なのか最後まで尻尾をつかませないところはスリリングだし、最初から人生見切ってるような人たち、生気のない死んだような人たちに起こる非現実的な現象というシチュエーションも、まったり感があって好きです。まあ要するに、どう判断していいのか分かんないだけかもしれないけど(^_^;)。でも喜んでまた次の作品を見に行くと思います。

  町に行きたがる若者にホアキン・フェニックス、目の不自由な気の強いヒロイン役に、これがデビューのブライス・ダラス・ハワード(ロン・ハワードの娘)、ちょっと頭のネジの緩んだ男にエイドリアン・ブロディ、そして村のリーダー役にウィリアム・ハートとシガニー・ウィーバーと、役者陣はいつも文句なく一流のシャマラン作品でありました。作品的には万人の評価は得られないかもしれないけど(「安っぽい」とか「シャマランは脚本書いちゃダメ」とか散々)、ブライス・ダラス・ハワードの鮮やかなデビューは、誰もが認めることでしょう。

  予告編でやったイギリス映画、"Shawn of The Dead"がむちゃくちゃ面白そうです。もちろん、"Dawn of the Dead"(『ゾンビ』)のパロディ(^_^)。『ゾンビ』ミーツ"The Office"(ゴールデングローブ賞をもらった、オフィスが舞台のシニカルなBBCのコメディドラマ)って感じで、早く観たくてたまりません。

『ヴィレッジ』公式ページ

☆"The Manchurian Candidate"

 ジョナサン・デミ監督による、『影なき狙撃者』のリメイク。何となく『ヴィレッジ』とは対照的な映画作りになってました。荒唐無稽さで言ったらいい勝負なのに、その信じさせ方が、観客に甘えてる風なシャマランと、きちきちっと説得していくデミとでずいぶん違うものになってました。

 湾岸戦争時、仲間を助けて英雄となったレイモンド(リーヴ・シュライバー)が帰還後上院議員の母(メリル・ストリープ)の後押しで政界入りし、有力な副大統領候補になる。戦友だったベン(デンゼル・ワシントン)は少佐としてまだ軍に在籍しているが、当時の奇妙な悪夢に悩まされている。やがてレイモンドに接触する機会を持ったベンは、彼を中心にした大がかりな陰謀に気がついていく──。

 派手なアクションに頼らない骨太なスリラーで、たいへん見応えありました。時期的にも、大統領選を11月に控えた今、将来の大統領候補を裏で操るサウジと癒着した大企業という構図に、現政権の姿が重なって見えます。最後がちょっとずさんだったのが残念です。2008年の時代設定で、ニュース番組の選挙報道も、ますます軽薄な演出に磨きがかかってます。やたら日清のカップラーメンが出てくるのは、プロダクト・プレースメントですね、きっと。

 夜、テレビで『羊たちの沈黙』がやってました。クラリスのジョディ・フォスター、絶品ですね〜。昆虫学者役で出ていたやぶにらみの役者はデミ作品の常連ですが、"Manchurian"でもレイモンドの参謀役で出てました。レイモンドの政敵役にジョン・ボイド、そしてデンゼルを助ける科学者役がブルーノ・ガンツでびっくり。ガンツ、すっかりおじいさんになっちゃって…。

The Manchurian Candidate英語公式ページ

1週間ばかり里帰りしてきます! なので今回はちょっとあっさりめになりました。『スチームボーイ』、観れるかな(^_^)。日本は猛暑だそうですね。ちょっとコワ…。

 そうそう、前回お伝えした『ぼくのプレミア・ライフ』DVDですが、タイトルと値段が決まりました。

『ぼくのプレミア・ライフ FEVER PITCH』 3,990円です。来月にはDVD売り場やスポーツ・バーなどでチラシを置く予定です。見かけたらヨロシクね!

『ぼくのプレミア・ライフ』Fever Pitch日本語プロモページ

ぢゃ、また来月。
(Aug 11 2004)

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